はじめまして。私、作曲家 横川泰昭について一つ。

私をはぐくんでくれた田舎は秋にもなると彼方の稜線に日が落ちて

残照が山を映し、

初夏にもなると裏を流れる水路のせせらぎに混じり

カエルの声が遠くから聞こえてくる...

そんな場所でした。

のどかでありながらもどこか悲しげに映る...

そんな土地の春の芽吹きを幾度となく眺めるうちにいつしか

それは旋律として形をなしました。

冬に降りそそぐ冷たい雨、年老いた桜の木、夜の灯にひかれる蛾、そして蝶...

それらが私にとっての音楽の源であり、

私の音楽はわたしが見て感じてきたすべてです。

願わくば私を育ててくれた

優しい世界のぬくもりが多くの人たちに伝わりますように。そう...


ささやかな まごごころとともに...